
「この価格でお願いできませんか?」
「知り合い価格で…って言われて…」
「断られるのが怖くて、つい下げてしまった」
そんな経験、フリーランスにはきっと誰しもあるはず。
でも、それが癖になってしまうと、“自分の価値を自分で削る”仕事の仕方になっていきます。

「好きなことを仕事にしたい」
「得意なことで誰かの役に立ちたい」
そう思ってフリーランスになった人も多いはず。
でも、“好きなこと”を“お金をいただく仕事”に変えた瞬間、
そこには対価に見合う責任と継続の覚悟が求められるようになります。

納期が遅れた、対応が雑になった、説明が足りなかった──
そんな場面で、「すみません、フリーランスなので…」という言葉が出てしまう。
もしくは心の中で、「社員じゃないし」「そこまで求められても」と思ってしまう。
でもそれって、本当に“通用する理由”でしょうか?

事業が成長していくにつれ、商品やサービスだけではなく、
“誰がやっているのか”という視点で選ばれる時代になっています。
そして、その“顔”として見られているのが──
間違いなく「あなた自身」です。

「代表なのに、そんなことも知らないの?」
「人に頼るなんて、情けないかも」
そんな思いから、自分の弱さや足りなさを隠そうとしてしまうことはありませんか?
でも、本当に信頼される経営者は、
自分の未熟さを“認識して受け入れている人”です。

「これ、なんとかしておいて」
「いい感じにまとめて」
「柔軟に対応してくれたら助かる」──
言葉としてはやさしく聞こえるかもしれません。
でもそれは、“具体性を伴わない指示”=ただの丸投げになっている可能性があります。

「まだ判断できない」「今は落ち着いて様子を見たい」
──そうやって“動かない”時間が続くことがあります。
でも、経営者が止まっているとき、現場もまた、止まっています。
静かにしているつもりでも、
実は何よりも強く、“何もしない”という影響を与えているのです。

どんなにビジョンが明確でも、
どんなに事業に熱量があっても、
経営者の「言葉」が軽ければ、信頼はついてきません。
経営者の言葉には“組織を動かす力”があります。
だからこそ、どんな言い方をするか、何を伝えないか──そのひとつひとつが、信頼の積み重ねにつながりま
す。

「この人には頑張ってほしいから」「あの人は言いにくいから」──
そんな気持ちを優先して運営していると、いつの間にか感情ベースの組織になってしまうことがあります。
人を大切にする気持ちは必要ですが、**経営に必要なのは“再現性のある仕組み”**です。
好き嫌いで揺れる体制では、継続的な信頼は築けません。

一緒に働くスタッフに対して、「価値観が近いから大丈夫」「気が合うから安心」と感じるのは、自然なこと
です。
けれど、そこに甘えがあると、無意識に“自分のように動いてほしい”という期待を押しつけてしまうこともあ
ります。
仲間意識は大切ですが、スタッフは“経営者の分身”ではありません。